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引染林株式会社
地域 | 右京区 |
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業種 | 11:繊維工業 |
50音 | ハ行 |
我社の仕事
着物業界の慢性的に厳しい状況の中で、引染業界も、まだまだ回復途上も半ばです。 従来の伝統に囚われず、その技術を武器に新しい分野にもどんどん挑戦しています。
自慢の逸品
引染とは、手描友禅加工工程の1つで、主に正絹の着物の地色を染める方法を指します。浸け染めとは異なり、反物を柱から柱に渡して伸子でピンと張り、刷毛に染料を含ませて端から端まで染めていくので、均一にムラなく染めるには熟練した技術が要求されます。色は、1反1反好みの色を作ることが出来、色の美しさは昔から定評があります。1色で染める色無地の他に、何色かで染め分けたり、ボカシを入れたりモヤを入れたり、ローケツや糊を置いたりその手法もたくさんあります。
技術者の思い
この道一筋のベテランの職人が数人従事していますので、職人の個性が作品に反映され、タイプの違う色んなボカシ等、技術には幅があります。又、ベテランに頼ることなく若い職人に技術を引き継いで和を保ち、よりよい作品に仕上げるべく努力しています。
製造プロセス
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点検
ローケツ(写真)は、ローの状態を見て、糊伏せは、糊の状態を見て、染め方を決めます。古い物は、湯通しや、キハツ通しなど、綺麗に染まるよう、前処理を施します。 -
地入れ
固い生地や折れやすい生地等は刷毛を使い、手地入れを行います。 -
色合わせ
きれいな水を使い、光などにも気を使って作業を行います。下地に色があり、違う色に変えたいとき等は、つけて合わせて行く事もあります(手合わせ)。但し、この場合は色の登録は出来ません -
引き染め
無色地を染める「引切り」は引染の主な仕事ですが、この工程には全体をムラなく均一に染める高い技術が要求されます。 -
検品
色とびや染めムラ等が無いか、最終チェックをして完了です。
どんなところに使われているの?
手描き友禅の着物として、皆さんに親しんでもらっています。
ものづくりを支える仕事
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染色管理
今まで染めた色や作った色を生地そのままに残してあるデータファイルがあります(約22,000色)。
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染料の製造
配合表の通りに染料を作りますから、1反数分で測るので染料にも無駄がありません。又、配合表に記録が残りますので色の追加にも対応出来ます。
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染め工場
工場は、三丈柱が17本、四丈柱が10本、濃地用と薄地用それぞれにあり、多くの反物をゆとりを持って染められるように天井も高く約8mの高さで作られています。
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道具:刷毛
刷毛は主に鹿や馬、人等の毛で作られており、一寸刷毛、三寸刷毛、五寸刷毛、小刷毛、丸刷毛等があります。刷毛の良し悪しも作品に影響するので痛んでいたり状態の悪いものは使いません。