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株式会社さわの道玄

地域 京都市内, 中京区
業種 32:その他の製造業
50音 サ行

の仕事

「文化財修復」と言っても仕事内容を想像するのは難しいと思います。伝統的な材料を使い、神社やお寺をきらびやかにする塗装業者であると言った方が分かり易いかも知れません。日本の伝統的な塗装である漆塗や膠を使った単色塗、彩色等を行なっています。平等院鳳凰堂丹土塗・仁和寺金堂蔀戸漆塗・知恩院三門絵画剥落止・宝厳寺渡廊漆塗・下鴨神社本殿漆塗等が近年の主な施工実績となります。

自慢の逸品

2003年9月2日放映のNHK番組『プロジェクトX ~桂離宮魂の大修理~』に、弊社会長 澤野道玄が携わった桂離宮の修復が取り上げられ、樹脂を使った修復方法が紹介されました。澤野は樹脂による修復の技術者としてスタジオにゲスト出演させていただきました。桂離宮の部材修理は、古材をそのまま活かすという方針で進められました。つまり、新しい材で作り直すことなく、腐朽や虫食い、破損など問題のある部分だけを補修するということです。破損部分に別の木材を当てて埋木をする方法が一般的でしたが、桂離宮で使用されている塗りのない白木の場合、木目が合わず不自然な見た目となってしまいます。そこで、樹脂による補修と木目造型とを組み合わせる方式が採用されました。

技術者の思い

私達が仕事で携わる文化財とは誰もが知っている建物である場合も少なくありません。作業の殆どが手作業であり、国宝や重要文化財に直接手を触れて仕事をするのは非常に気が引き締まります。繰り返し修復が行なわれてきた何百年という時間を感じつつ、次の数十年後の修復に繋げる気持ちで文化財に向き合っています。
  1. 施工前

    施工前の平等院です。
  2. 掻き落とし

    既存の古い塗装を落とします。
  3. 下地処理

    塗装がきれいにできるよう、下地処理を行います。
  4. 塗装①

    1回目の塗装を行います。
  5. 塗装②

    塗装する対象によって、塗装を数回行います。

どんなところに使われているの?

この製造プロセスは、平等院の改修事例です。寺院などの国宝や重要文化財などや無名であっても地元の人に信仰の対象として拝まれれている御像など様々な貴重な保存物を再生、修復して新しくしたり、または当初に近いものにしています。
  • 漆塗り

    文化財の漆塗り修復では、当初の漆塗膜を可能な限り残しながら塗り直すことが求められます。時の経過で生まれた風合いを大切にしつつ、そして過去に塗り重ねられた先人の手を尊重しながら全体を美しく直します。

  • 単色塗り

    社寺建築の柱などに見られる赤い彩色は、酸化鉛から製造した伝統的赤色顔料によるもので、この塗装を建造物装飾の言葉では丹(に)塗りあるいは弁柄(べんがら)塗りといいます。

  • 彩色塗り

    絵の具の剥落や紙の破れなど、経年により劣化した障壁画や彩色装飾を、伝統的素材と画法を用いて修理します。彩色の修復作業には、元の絵の具を剥落止めして補彩する場合と、一から色を塗り直す場合とがあります。

  • メディア掲載

    TV・雑誌など多数当社の技術などが紹介されています。

会社概要

事業内容 建造物装飾を中心とした文化財の修復
設立 1991年5月
代表者 代表取締役 長屋 進
所在地 〒604-8232 京都市中京区錦小路通油小路東入る空也町491番地
電話番号 075-254-3885