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株式会社阿以波
地域 | 京都市内, 中京区 |
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業種 | 32:その他の製造業 |
50音 | ア行 |
我社の仕事
阿以波の歴史は元禄2(1689)年より、都に出て店をひらいたことに始まります。当初は分業体制で、うちわに木版を使うことから各紙製品、版元まで業態を広げた時代もありましたが、七代目より一貫生産を行うようになり、御所うちわの伝統を伝える「京うちわ」を作り続けてきました。現当主は、その十代目。『阿以波』のみとなった京うちわの製作技術を今に伝えるとともに、新たな「うちわ文化」を創造し続けています。
自慢の逸品
古来うちわは涼をとるだけでなく、その風で魔を打ち払うともいわれ、縁起物でもありました。阿以波では、優美な装飾をほどこした「透かしうちわ」や、それらをあしらった屏風、もちろんあおいでご利用いただくうちわも製作しています。
技術者の思い
住まいの環境が変わり、それに合わせてあしらいのスタイルを変えるよう考えています。少し前までのマンションでは、玄関の戸を開ければ必ず靴箱があり、物を置くスペースがありましたが、しかし最近は壁面収納になりずいぶんと様相が変わりました。「ではどうしたらいいのだろう」「壁に掛けられるようにしようか」という環境に合わせたあしらいの方法を常に考えています。他にも、うちわは和のものだから和室のあしらいにと思われる方が多いですが、マンションのエントランスだったらこんな感じであしらったらどうだろうなども色々と考え、製作しています。
製造プロセス
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骨作り
竹から骨づくりをおこないます。寒冷地で4~5年育った竹の節の長い部分を切り出し、巾・厚みを整えます。上端に5㎜の刻みをいれ、竹の繊維にそって刻みをもみ広げ、割っていきます。そこから必要な厚さにあわせ、二枚にへぎ割ります。 -
仮張り
うちわ紙と骨を合わせていきます。薄い紙に、骨になる細竹を放射線状にならべ、糊付けしていきます。これを「仮張り」といいます。薄く均一に糊付けした上にたくさんの骨を貼り付けることで、ゆがみのないきれいなうちわ面になります。 -
うちわ紙の貼りつけ
骨に糊をつけ、表裏両側のうちわ紙を貼ります。骨のきわに「念ベラ」とよばれるヘラで筋をつけていきます。この作業により紙が伸び、うちわがしなるようになります。 -
元付~なり廻し
柄(え)を挿す部分に、紙と絹を合わせて貼り付けます。これは装飾と、柄の元を補強するためのものです。周囲の余分なものを切りうちわの形に切り落とします。 -
へり取り~柄付け
成形したうちわの縁を薄いみつまた紙で化粧します。最後に柄にもち粉で作った糊をつけ、元の部分にさしこんで完成です。柄の部分は竹、杉、栂(とが)材など多くの資料があります。
どんなところに使われているの?
「目で涼を取る」という新しい形の飾りうちわとして、それぞれのライフスタイルに合わせて飾ってご利用頂いています。
ものづくりを支える仕事
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工房
右京区にある工房にて、職人の手で一つ一つ手作業で製作しています。
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店舗
中京区の店舗にて、飾りうちわを多数展示、販売しています。観光客も多く訪れます。
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販売
帳場は江戸時代から続く上り框からつながっており、昔ながらのスタイルでうちわの販売や包装をしています。